戻る




これからお話しすることは、2001年5月3日に事務所を移転し、現在に至るまで8年間の私個人が体験した畑作りです。

 移転当初は、100坪ほどの敷地に60坪の倉庫があり空っぽの状態でした。
 事務所の移転は、友達(畑)にトラックを借りて、友達(畑)達や家族(畑)に手伝ってもらって引っ越しをしました。
 その次に、友達(畑)の建築屋の倉庫からため込んでゴミになった建材を、友達(畑)にトラックを借りて運び込みました。
 当然私も手伝ってもらうだけではありません。
 みんな(畑)のおかげで出来た空間に、みんな(畑)の集いの場として老若男女(畑)がいっぱい集まってきました。
 この辺りでわかって頂いたと思いますので、(畑)を付けるのはやめます。読みながらあなたの頭の中で(畑)を付けてください。
 お酒を持ってくる人、つまみを持ってくる人、手ぶらでくる人。
 若い女の子たちは、経済力がありませんから『ごめんなさい、手ぶらで来ちゃって』
 『別に気にしなくてもいいよ。しかし、笑顔だけは忘れてくるなよ』
 金品だけが持参できるものではありません。
 笑顔もそうだし、面白い話、為になる話、場を和ませる話、機転を利かせて場を仕切る人全てが皆で持ち寄った能力です。
 その畑で獲れたものを、みんなで平等に分配し楽しく過ごします。
 自分たちの(畑)を作れない人は、地主さんの家に行って楽しく過ごさせてもらいます。当然年貢を納めることになります。
 遊びに来ていた女の子が、実家に引っ越すことになりました。冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・食器・食材など持って行けない物を私のところに捨てて行きました。お互いに得した関係です。



そうこうする内に近所のあんちゃんやおっちゃんが、集まってきた。
 夕方になるとお酒とつまみを持って集まってくる。
 私は、お酒は自分のものを飲むが、つまみはおごってもらう。
 持ってきた人も、居酒屋に飲みに行くよりはるかに安上がりで、お互いに得した関係。
 釣りが趣味の人で、大きな魚をいつも釣ってくる。
 釣った魚を処理しきれないので私のところへ持ってくる。





アスファルトの駐車場の上で、もらった廃材を利用して(畑)じゃない畑作り。
 いっぱい作りすぎて、食べきれませんから近所に配ります。
 『いっぱいゴミができちゃって、もらってもらえませんか。ゴミですから、絶対にお返しはしないでくださいね。』
 そうすると今度は、
 『田舎からいっぱい果物を送ってきて、食べきれないから』
 『田舎から猪の肉をいっぱい送ってきたけど、家族は食ってくれん。』
 『土産に魚を持ってきたけど、こんなには食べきれん。』
 『あんた、この野菜は作ってなかったろ。』と、みんなのゴミがいっぱい集まってくる。
 挙句の果てには、野菜を出荷している人が、『道具が壊れたから、なおしてくれる。』『いいよ』とかやっていると、『大根はもう出荷しないから抜いていいよ。』・・・この話で、大根200本GET!白菜100個GET! 出荷の度にくず野菜1箱。
 解体業をやっている友達が、『道具いっぱいあるけど取りに来る?』なんてことで、道具は何でもそろっている。
 今度は、『商品改定でショールームを入れ替えるんだけど、そこに捨てていい?』・・・高価なドアやサッシがごろごろ。
 工場が閉鎖するとき、『断熱材いらん?』・・・持ってきたのが4トン車2杯、時価100万円以上。おかげで、倉庫全部断熱できた。
 冬は、暖炉を焚いて過ごしています。大体1週間に2トン車一杯の木を燃やします。最初はごみをもらいにいっていました。そうこうする内に、足場丸太を処分したい人と知り合い2年ぐらいはそれでしのぎました。今は、いろんな人が持ってくるようになり、すごく楽になりました。



 結果、冷蔵庫が11台、バイクが2台、自転車が4台、高価なスピーカー無数、棚や家具もそこら中、テレビは数えていない。
 野菜はまず買うことはありません。肉や魚はそこそこにありますが、たまに問屋でキロ単位で買いストックしています。食材費は月当たり1万円もあれば十分、ぜいたくな食材はたいてい誰か持ってくる。
 こんなことをやっているうちに、
 待てよこれひょっとして『霞を食って生きる?』



 最近も、居間を作ろうと思って友達二人に声をかけたらトラックに2台、とても使い切らん。うちのゴミになりそう。

inserted by FC2 system